教育について

カイロプラクティックの教育基準

カイロプラクティックの教育

カイロプラクターになるには、WHOによる「カイロプラクティックの基礎教育と安全性に 関するガイドライン」で提示されている基準の教育を修了する必要があります。①カテゴリーIの4年制4200時間以上のカイロプラクティック教育を国内外のCCE認可の教育機関を卒業する。もしくは、②カテゴリーIIのCCE認可の教育機関と提携による暫定教育(JAC承認のCSCプログラムや現在行われている安全教育プログラム)を修了することが義務付けられています。日本国内では、2011年から教育修了後にJCR(日本カイロプラクティック登録機構)による登録試験(JCR-IBCE試験)に合格することが求められています。(※CSCプログラム修了生は2009年からです。)

CCE について

CCE (Council on Chiropractic Education)とは[ カイロプラクティック教育審議会 ]と訳され、カイロ大学の質の保障を認定(アクレディテーション)する機関のことです。アメリカでカイロ大学のアクレディテーション機関 (CCE-US) は1974年に米連邦政府教育省から公認を受け、そのシステムがモデルとなってカナダ、欧州 (ヨーロッパ各国)、大洋州 (オーストラリア、ニュージーランド)にも広まりました。現在、世界4つの地域に認定機関があり、2001年に4つの地域の連絡協議会としてCCE-I (インターナショナル)が結成されました。それぞれの認定機関はCCE-US (米国カイロプラクティック教育審議会), CFCREAB( カナダカイロプラクティック登録教育認定委員会連合: 前カナダカイロプラクティック教育審議会), ECCE ( 欧州カイロプラクティック教育審議会), CCEA (大洋州カイロプラクティック教育審議会)です。   

各地域のCCE基準は、世界各地の状況が異なるため類似点と相違点があり、世界的に統一した基準はありません。しかし、平均して全日制4~5年間4200~5000時間の専門教育となります。一般的に言う「国際基準の教育」とはCCE基準を満たす、もしくは申請できるレベルの教育を意味します。それぞれのCCE間では互換性があり、例として太洋州にある大学を卒業した学生が条件を満たせばカナダ地域で卒業後開業することも可能です。各地域により開業条件は異なり、開業試験がある国もあればそのまま自動登録される国もあります。 

CCEが存在しない地域では、CCE-Iの要請により近くの既存のCCEが協力します。例えば、日本のカイロ大学はアジア地域のCCEが設立されるまではCCEA が認定に協力します。今後、アジア、中南米、アフリカ地域でもCCE設立が求められています。

国際カイロプラクティック教育審議会(CCEI)

日本国内では唯一現在、東京カレッジ・オブ・カイロプラクティック(TCC)によるカイロプラクティック専門教育プログラムが大洋州カイロプラクティック教育審議会(CCEA)から認可を取得しています。東京カレッジ・オブ・カイロプラクティック(元RMIT大学カイロプラクティック学科日本校)の全日4年制4200時間の教育はCCEAより認可されているため、卒業生は海外(アメリカ、カナダ、オーストラリア他)の開業試験を受験したり、卒後教育を受講する事が出来ます。

東京カレッジ・オブ・カイロプラクティック

教育の主目的

カイロプラクターとして、広くヘルスケアシステムの中で診断、治療、相談を含めた患者のケアや必要とあれば他の専門家に紹介できるよう教育します。

臨床上の適正さの条件として、以下のことが要求されます。問診、理学検査、神経学検査、筋骨格姿勢検査、心理社会的評価、診断、症例報告、カイロプラクティックアジャャストメント(マニピュレーション)、救急法、患者の記録管理、先生ー患者関係、職業倫理問題、その他の療法など。

世界各地域のCCE基準

CCEA
大洋州
ECCE
欧州
CFCREAB
カナダ
CCE-US
米国
入学条件 科学重視の高等教育/大学入学基準に沿う高等職業教育 科学重視の高等教育/大学入学基準に沿う高等職業教育/入学前に1年間の基礎教育 高等教育/90学期時間。入学前に最低48学期時間の履修。 高等教育/90学期時間。入学前に最低48学期時間の履修。
カリキュラム 【 5年間 】 解剖学、生化学、生理学、微生物学、病理、公衆衛生学、生体力学、理学検査、臨床 学、診断学、婦人科学、産科学、小児科学、皮膚科学、老人学、耳鼻咽喉科学、画像診断学、心理学、救急学、脊椎解剖学、脊椎分析学、カイロの原理と業務、 カイロテクニック、物理療法、研究、職業倫理、法律その他 【 4年間 】 遺伝子学、解剖学、生理学、生化学、微生物学、病理学、生体力学、臨床学、診断 学、理学検査、臨床学、診断学、婦人科学、産科学、小児科学、皮膚科学、老人学、耳鼻咽喉科学、精神科学、栄養学、整形外科学、物理療法、カイロの原理と 業務、脊椎分析、カイロテクニック、研究方法その他 【 4年間 】 最低4200時間の教育: 解剖学、生理学、生化学、微生物学、病理学、公衆衛生 学、臨床実習、神経学、婦人科学、産科学、小児科学、皮膚科学、老人学、耳鼻咽喉科学、画像診断学、栄養学、心理学、生体力学、整形外科学、応急処置、姿 勢分析、カイロの原理と業務、カイロテクニック、研究方法、職業倫理と法律その他 【 4年間 】 最低4200時間の教育: 解剖学、生理学、生化学、微生物学、病理学、公衆衛生 学、臨床実習、神経学、婦人科学、産科学、小児科学、皮膚科学、老人学、耳鼻咽喉科学、画像診断学、栄養学、心理学、生体力学、整形外科学、応急処置、姿 勢分析、カイロの原理と業務、カイロテクニック、研究方法、職業倫理と法律その他
クリニック臨床 のべ250名の患者治療と40名の臨床検査 のべ250名の患者治療と最低40名の患者症例 のべ250名の患者治療と最低35名の患者症例 のべ250名の患者治療と最低20名の患者症例
卒後教育条件 なし 1年間の教育プログラム。6ヶ月は監査のもと。 なし なし
学位 BCSc, MCSc BAppSc(chiro), MSc(chiro), DC BSc(Hon), MSc(chiro) DC DC DC

期間限定のカイロプラクティック教育

- Temporary Chiropractic Education -

CSCプログラムについて

CSCプログラムは、Chiropractic Standardization Course(カイロプラクティック標準化コース)プログラムの意味です。国内のWHO教育基準を満たさないカイロプラクティック学校卒業者に対し、レベルアップを目的に経過措置プログラムとして提供されていました。

JAC承認のCSCプログラム

    1. JCA・オーストラリアRMIT大学: BCSc (conversion) 既に終了
    2. NICC・カナダCMCC: CSC Certificate 既に終了
    3. KCS・オーストラリアMurdoch大学: BHSc (Chiro) 既に終了
    4. 国際カイロプラクティックカレッジ・ITM: Diploma BCS/BSC 既に終了

*CSCの学位/修了書は、フルプログラム(CCE基準)の学位/修了書と同じではありません。あくまでも国内対象の一持的な経過措置プログラムで出されるものです。

*当会は2002年5月12日に開催したJAC定時総会において下記のCSCプログラムに関する承認条件を採択いたしました。

*2011年にJAC正会員入会基準が、WFCと話し合いのもと改定されました。CCE認可のフルプログラム卒業生以外も2008年までの全ての上記承認CSCプログラム卒業生はJCR(日本カイロプラクティック登録機構)試験なしで入会が可能、2009年以降の承認CSCプログラム卒業生はJCR試験に合格することで入会が可能となります。

*当会は2022年3月22日、2006年から2017年までの国際カイロプラクティックカレッジ本科の教育プログラムをCSCプログラムとして承認いたしました。

*また一部の方からの問い合わせがある米国クリーブランドカイロプラクティック大学日本校(CCCJ) BSCプログラムは当会の承認を受けておらず、米国のCleveland Chiropractic Collegeが直接運営するものでもありませんのでご注意ください。

JCR試験受験資格プログラム(2014年4月開講)

JCR(日本カイロプラクティック登録機構)試験受験資格プログラム(旧 安全教育プログラム)

” 国民生活センターから「手技による医業類似行為の危害」を予防するための策を講じる旨の要請を受け、弊会では、消費者(利用者)の安全性を高める目的で国内カイロプラクティック施術者向け「安全教育プログラム」を2014年4月から開始しました。※1 ※2

 本プログラムは、世界保健機関(WHO)によるカイロプラクティックのガイドライン※3で求められている安全な施術に必要な教育を受ける機会がなかった施術者を対象として、安全性と倫理性を担保するための医学講座および業務ガイドラインの周知徹底を図るための内容を提供していきます。

  本プログラム修了後は、国際的な第三者試験委員会※4による試験を受験し、その合格をもってWHO基準を満たすカイロプラクターとして日本カイロプラクティック登録機構※5に登録されます。また、登録名簿を公開することで利用者が安全なカイロプラクティック施術者を選ぶ基準とすることができます。

※1 東京カレッジ・オブ・カイロプラクティック: プログラム運営委託先。大洋州カイロプラクティック教育審議会(CCEA)認可校。

※2 2022年3月22日、2013年から2018年までの国際カイロプラクティックカレッジブリッジコースの教育プログラムを安全教育プログラムとして承認いたしました。

※3 カイロプラクティックの基礎教育と安全性に関するWHOガイライン

※4 国際カイロプラクティック試験委員会(IBCE): 米国の国家試験運営機関である全米カイロプラクティック試験委員会(NBCE)の協力により設立された国際組織

※5 日本カイロプラクティック登録機構(JCR): WHOのカイロプラクティック教育基準を満たすカイロプラクターを登録する国内の登録機関

「JCR試験受験資格プログラム」の実施にあたって (JCR試験受験資格プログラムのページ)